VPNを支えるトンネル技術

前回の勉強内容

ponsuke-tarou.hatenablog.com

勉強のきっかけになった問題

VPNで使用されるセキュアなプロトコルであるIPsecL2TPTLSの,OSI基本参照モデルにおける相対的な位置関係はどれか。
https://www.ap-siken.com/kakomon/31_haru/img/42.gif
平成31年春期問42 IPsec,L2TP,TLSの位置関係|応用情報技術者試験.com

VPNとは、仮想の暗号化されたネットワークを用いてセキュリティを高める技術です。

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VPNの仮想ネットワークではトンネル技術が重要となります。

https://network.yamaha.com/var/site/storage/images/8/7/7/4/124778-1-jpn-JP/01_vpn_using.jpg
VPNとは

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那須岳の牛が首

トンネル技術は、ネットワーク上の2つの拠点間を仮想の回線で接続してカプセル化したデータを送る技術です。

https://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/17/011900625/011900006/ph01.jpg?__scale=w:500,h:268&_sh=0bf0950b05
トンネリングとカプセリングは何が違う? | 日経クロステック(xTECH)

2点間で仮想の経路を確立してデータを送受信できるようにするPPPという通信プロトコルがあります。

  • 正式 : Point to Point Protocol

OSI参照モデルの第2層であるデータリンク層で動作します。

第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層
第3層 ネットワーク層 <- IP
第2層 データリンク層 <- PPP
第1層 物理層

PPPには、ユーザ認証機能やエラー処理を行う機能があります。
認証機能にはPAP(Password Authentication Protocol)やCHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)などのプロトコルが使用されます。
OSI参照モデルの第3層であるネットワーク層にあるIPには認証機能がないためトンネル技術ではPPPの認証機能を利用します。

WANを介して二つのノードをダイヤルアップ接続するときに使用されるプロトコルで,リンク制御やエラー処理機能をもつものはどれか。

答. PPP
平成26年春期問32 PPP|応用情報技術者試験.com

PPPを利用するプロトコルには大きく3つあります。

PPTPは、「送信元PC」と「受信側サーバ」間をGREによるカプセル化を利用して通信を行います

Microsoft、Lucent Technologies、3Comなどが共同で開発したトンネリング技術です。

第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層 <- TCP
第3層 ネットワーク層 <- IP
第2層 データリンク層 <- PPP / PPTP
第1層 物理層

https://beginners-network.com/image/vpn_pptp_1.gif
PPTP - ネットワーク入門サイト

「送信元PC」のことをPAC(PPTP Access Concentrator)といいます。
Windows OSのマシンがPACとなることが一般的です。

「受信側サーバ」のことをPNS(PPTP Network Server)といいます。
Windows NT Server 4.0/Windows 2000 Server/Windows Server 2003にはPNSとなる機能が搭載されています。

パケットを別のプロトコルカプセル化するトンネルプロトコルであるGRE(Generic Routing Encapsulation)を利用します。

https://i2.wp.com/kazunetproject.site/wp-content/uploads/2019/05/gre1-2.jpg?w=693
GRE Tunnel の概要 〜基礎編〜 | ネットワークエンジニアの小学校

L2Fは、UDPを利用するトンネル技術ですが現在はあまり使われていません。

第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層 <- TCP / UDP
第3層 ネットワーク層 <- IP
第2層 データリンク層 <- PPP / PPTP / L2F
第1層 物理層

L2TPは、PPTPL2Fをあわせたトンネル技術です。

データリンク層で動作する送信情報を運ぶトンネリングプロトコルです。

第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層 <- TCP / UDP
第3層 ネットワーク層 <- IP / IPsec
第2層 データリンク層 <- PPP / PPTP / L2F / L2TP
第1層 物理層

https://beginners-network.com/image/vpn_l2tp_ipsec_1.gif
L2TP/IPsec - ネットワーク入門サイト

https://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/column/14/346926/122000744/ph01.jpg?__scale=w:500,h:290&_sh=0bf08e0940
アップルのPPTP終了が製品/サービスに影響 | 日経クロステック(xTECH)

「送信元PC」のことをLAC(L2TP Access Concentrator)といいます。
「受信側サーバ」のことをLNS(L2TP Network Server)といいます。

1つのトンネルで複数ユーザのセッションを取り扱えるため広く利用されています。
PPTPでは1つのトンネルにつき1つのセッションしか取り扱えませんでした。

L2TPは暗号化技術がないため、暗号化技術であるIPsecをあわせて使用します。

トンネル技術のL2TPネットワーク層で動作する暗号化技術であるIPsecをあわせて、L2TP/IPsecといいます。
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最後に

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OSI参照モデルにおける各プロトコルの位置
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黒姫山

次回の勉強内容

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