VPNを支えるトンネル技術
- 前回の勉強内容
- 勉強のきっかけになった問題
- VPNとは、仮想の暗号化されたネットワークを用いてセキュリティを高める技術です。
- トンネル技術は、ネットワーク上の2つの拠点間を仮想の回線で接続してカプセル化したデータを送る技術です。
- PPPを利用するプロトコルには大きく3つあります。
- 最後に
- 次回の勉強内容
前回の勉強内容
勉強のきっかけになった問題
VPNで使用されるセキュアなプロトコルであるIPsec,L2TP,TLSの,OSI基本参照モデルにおける相対的な位置関係はどれか。
平成31年春期問42 IPsec,L2TP,TLSの位置関係|応用情報技術者試験.com
VPNとは、仮想の暗号化されたネットワークを用いてセキュリティを高める技術です。
トンネル技術は、ネットワーク上の2つの拠点間を仮想の回線で接続してカプセル化したデータを送る技術です。
2点間で仮想の経路を確立してデータを送受信できるようにするPPPという通信プロトコルがあります。
- 正式 : Point to Point Protocol
第7層 | アプリケーション層 |
---|---|
第6層 | プレゼンテーション層 |
第5層 | セッション層 |
第4層 | トランスポート層 |
第3層 | ネットワーク層 <- IP |
第2層 | データリンク層 <- PPP |
第1層 | 物理層 |
PPPには、ユーザ認証機能やエラー処理を行う機能があります。
認証機能にはPAP(Password Authentication Protocol)やCHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)などのプロトコルが使用されます。
OSI参照モデルの第3層であるネットワーク層にあるIPには認証機能がないためトンネル技術ではPPPの認証機能を利用します。
WANを介して二つのノードをダイヤルアップ接続するときに使用されるプロトコルで,リンク制御やエラー処理機能をもつものはどれか。
答. PPP
平成26年春期問32 PPP|応用情報技術者試験.com
PPPを利用するプロトコルには大きく3つあります。
PPTPは、「送信元PC」と「受信側サーバ」間をGREによるカプセル化を利用して通信を行います
Microsoft、Lucent Technologies、3Comなどが共同で開発したトンネリング技術です。
第7層 | アプリケーション層 |
---|---|
第6層 | プレゼンテーション層 |
第5層 | セッション層 |
第4層 | トランスポート層 <- TCP |
第3層 | ネットワーク層 <- IP |
第2層 | データリンク層 <- PPP / PPTP |
第1層 | 物理層 |
「送信元PC」のことをPAC(PPTP Access Concentrator)といいます。
Windows OSのマシンがPACとなることが一般的です。
「受信側サーバ」のことをPNS(PPTP Network Server)といいます。
Windows NT Server 4.0/Windows 2000 Server/Windows Server 2003にはPNSとなる機能が搭載されています。
パケットを別のプロトコルでカプセル化するトンネルプロトコルであるGRE(Generic Routing Encapsulation)を利用します。
L2Fは、UDPを利用するトンネル技術ですが現在はあまり使われていません。
第7層 | アプリケーション層 |
---|---|
第6層 | プレゼンテーション層 |
第5層 | セッション層 |
第4層 | トランスポート層 <- TCP / UDP |
第3層 | ネットワーク層 <- IP |
第2層 | データリンク層 <- PPP / PPTP / L2F |
第1層 | 物理層 |
L2TPは、PPTPとL2Fをあわせたトンネル技術です。
データリンク層で動作する送信情報を運ぶトンネリングプロトコルです。
第7層 | アプリケーション層 |
---|---|
第6層 | プレゼンテーション層 |
第5層 | セッション層 |
第4層 | トランスポート層 <- TCP / UDP |
第3層 | ネットワーク層 <- IP / IPsec |
第2層 | データリンク層 <- PPP / PPTP / L2F / L2TP |
第1層 | 物理層 |
「送信元PC」のことをLAC(L2TP Access Concentrator)といいます。
「受信側サーバ」のことをLNS(L2TP Network Server)といいます。
1つのトンネルで複数ユーザのセッションを取り扱えるため広く利用されています。
PPTPでは1つのトンネルにつき1つのセッションしか取り扱えませんでした。