品質管理で使われる図
- 前回の勉強内容
- きっかけとなった試験問題
- パレード図は、出現度数の大きさを順に並べて、主要な原因を識別するとこに使用されます。
- 管理図は、不良品などの件数や損失金額を原因別に分類し、数値の大きい順に並べてその累積値によって改善効果の高い項目を把握することに使用されます。
- 散布図は、相関関係を調べたい2種類のデータの関係を図に表したものです。
- 次回の勉強内容
前回の勉強内容
きっかけとなった試験問題
発生した故障について,発生要因ごとの件数の記録を基に,故障発生件数で上位を占める主な要因を明確に表現するのに適している図法はどれか。
ア. 特性要因図 イ. パレート図 ウ. マトリックス図 エ. 連関図
平成31年春期問74 主な要因を明確にするのに適した図法|応用情報技術者試験.com
パレード図は、出現度数の大きさを順に並べて、主要な原因を識別するとこに使用されます。
メリット
- どの項目がもっとも問題かを見つけることができる。
- 問題の大きさの順位が一目で分かる。
- ある項目が全体のどの程度を占めているかを知ることができる。
- どの項目とどの項目を改善すれば,不具合をどの程度解決できるかが分かる。
- 問題の大きさが目で理解できるために説得力がある。
品質改善策の立案に際し、原因別の不良発生件数を分析し、優先取組みテーマを選択するときに活用できます。
パレート図は、値の大きい順に分析対象の項目を並べた棒グラフと、累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフで、主に複数の分析対象の中から、重要である要素を識別するために使用します。
平成26年春期問76 パレート図|応用情報技術者試験.com
パレート図で、「品質問題を解決するために図を作成して原因の傾向を分析したところ,全体の80%以上が少数の原因で占められていることが判明した」りします。
項目別に層別して出現度数の大きさの順に並べるとともに累積和を示した図であり、主要な原因を識別するために用います。
パレート図を用いた分析手法であるABC分析では、頻度の高いものから、Aグループ、Bグループ、Cグループのようなグループ分けをすることにより、資源の配分を適切に管理することができます。
平成23年特別問53 パレート図の用途はどれか|応用情報技術者試験.com
管理図は、不良品などの件数や損失金額を原因別に分類し、数値の大きい順に並べてその累積値によって改善効果の高い項目を把握することに使用されます。
- 別名 : シューハート管理図
- 「同じ人」、「同じ機械」、「同じ材料」、「同じやり方」でも製品の品質には「ばらつき」が生じます。その「ばらつき」は、原因を調べても意味がない「偶然原因のばらつき(許しえるばらつき)」なのか「異常原因によるばらつき(見逃せないばらつき)」なのかを判定するために用いられるツールです。
管理図は、工程の状態や品質を時系列に表した図で、工程が安定した状態にあるかどうかを判断するために用います。
例えば日ごとに不良品の個数を記録していき、統計的に求めた上方管理限界と下方管理限界を超えた位置に値が記録された場合には、その日に何らかの異常が発生していることがわかります。
平成17年秋期問76 管理図を説明したものはどれか|基本情報技術者試験.com
管理図といっても幾つか種類があって、管理する内容によって使い分けます。
- x管理図 : 長さ、重量、時間、硬さ、純度など
- pn管理図 : 不良数(個数)
- u管理図 : 単位が一定でないものの欠点数
管理図の特徴は上下にある線です。
- 上の線 : UCL(上方管理限界, Uper Cntrorl limt)
- 下の線 : LCL(下方管理限界, Lper Cntrorl limt)
- この線の算出方法は管理図の種類で違うよう。
見方として以下を確認して「異常原因によるばらつき」を見つけ出します。
- 2つの限界線からはみ出していないこと
- 真ん中にある中心線より片側に偏っていないこと
プロセスが安定しているかどうか,又はパフォーマンスが予測のとおりであるかどうかを判断するために用います。
管理図は、工程の状態や品質を時系列に表した図であり,工程が安定した状態にあるかどうかを判断するために使用されます。
統計的に求めた上限管理境界と下限管理境界があり、それらを超えた位置にプロットがあれば何らかの異常が発生していることがわかります。
平成24年秋期問54 管理図|応用情報技術者試験.com
散布図は、相関関係を調べたい2種類のデータの関係を図に表したものです。
データ群がどの方向に分布するかで分析します。
データ群が右上がりに分布する傾向がある(相関係数 > 0)関係:正の相関がある
データ群が右下がりに分布する傾向がある(相関係数 < 0)関係:負の相関がある
相関係数は、「どれぐらい類似しているか」を-1以上1以下の数字として表現したものです。
まず、相関というのは2つ以上のものがあるときに、「どれぐらい類似しているか」ということを意味します。
そして、相関係数とは「どれぐらい類似しているか」を-1以上1以下の数字として表現したものです。
相関係数は-1~1の間の実数値をとり、-1に近ければ負の相関、1に近ければ正の相関があるといいます。0に近いときには2項目間の相関は弱くなります。
ちなみに負の相関といっても正に比べて関連性が弱いわけではありません。正負の方向は相関の強さには関係なく、より相関係数の絶対値の高いものが強い相関性であることを示します。
平成22年秋期問77 負の相関を示すものはどれか|基本情報技術者試験.com
プログラムのステップ数が多くなるほどステップ当たりのエラー数も多くなる傾向があるように見受けられた時にデータを分析するのに使います。
縦軸、横軸に2項目の量や大きさ等を対応させ、そのグラフ上にデータを打点した図です。変数間の相互関係を表すのに役立ちます。
平成29年秋期問76 散布図|応用情報技術者試験.com