無線LANの規格IEEE 802.11と基本を知る
- 前回の勉強内容
- きっかけとなった試験問題
- IEEE 802.11シリーズは、無線LANの規格です。
- 周波数帯は、電波の通り道に通れる電波の範囲のことです。
- チャネルは使用可能な周波数の範囲のことで、その範囲の幅をチャネル幅といいます。
- アクセス制御方式は、LAN上でのデータのやり取りで衝突を起こさないようにするためのデータリンク層での仕組みです。
- 次回の勉強内容
前回の勉強内容
きっかけとなった試験問題
IEEE 802.11a/b/g/nで採用されているアクセス制御方式はどれか。
ア. CSMA/CA イ. CSMA/CD ウ. LAPB エ. トークンパッシング方式
情報セキュリティスペシャリスト平成29年春期 午前Ⅱ 問20
IEEE 802.11シリーズは、無線LANの規格です。
IEEE 802.11をベースとしたいくつかの規格があります。
規格 | 策定 | 周波数帯(GHz) | 伝送速度 (Mbps) |
チャネル (ch) |
チャネル幅 (MHz) |
---|---|---|---|---|---|
IEEE 802.11b | 1999-10 | 2.4 | 11 | 1~4 | 22 |
IEEE 802.11a | 1999-10 | 5 | 54 | 20 | |
IEEE 802.11g | 2003 | 2.4 | 54 | 1~13 | 20 |
IEEE 802.11n | 2009-09 | 2.4と5 | 600 | 20 / 40 | |
IEEE 802.11ac | 2014-01 | 5 | 6,900(=2.6Gbps) | 80 / 160 |
赤外線や電波を利用しているので接続機器の移動が容易になります。
無線LAN(IEEE 802.11)に関する記述として,適切なものはどれか。
イ. 赤外線や電波を利用しているので,接続機器の移動が容易である。
平成14年秋期問64 無線LAN(IEEE802.11)に関する記述|基本情報技術者試験.com
周波数帯は、電波の通り道に通れる電波の範囲のことです。
- 別名 : バンド
2.4GHz帯は、免許不要で使用できるISMバンドの1つです。
無線の周波数は限られた資源であり、同じ周波数を複数の人が使えば世界中で混信が起こる。そのため、ITUが周波数の使用目的を取り決め、監督責任を各国の主管庁に委ねている。日本では電波法が定められており、総務省が管轄している。電波の利用には、無線取扱免許や届け出が必要であるが、ISMバンドは免許不要で利用可能だ。
ISMバンド | IT用語辞典 | 大塚商会
2.4GHz帯は電子レンジや無線キーボードなどいろいろな機器で使用されているため干渉を受けやすいです。
チャネルは使用可能な周波数の範囲のことで、その範囲の幅をチャネル幅といいます。
チャネルは、アクセスポイント1つ1つに設定されます。近くにあるアクセスポイントと被ると電波干渉を起こしてしまいます。
IEEE802.11n と 11acでは,チャネルボンディングにより2つチャネル幅が規定されています。
IEEE802.11nにおけるチャネル1つのチャネル幅は"11a/g"と変わらない20MHzですが、"11n"以降の規格("11n/ac")では隣り合うチャネル同士を束ねる「チャネルボンディング技術」が規定されています。この技術を使用した場合のチャネル幅は2つのチャネルを合わせた40MHzになります。ちなみに"11ac"では束ねることできるチャネル数が最大で8つと規定されているため、最大チャネル幅は(20×8=)160MHzです。
ネットワークスペシャリスト 平成25年秋期 午前Ⅱ 問3
アクセス制御方式は、LAN上でのデータのやり取りで衝突を起こさないようにするためのデータリンク層での仕組みです。
CSMA/CDは、伝送媒体上でのデータフレーム衝突を検出する機能をもつ方式です。
- 正式 : Carrier(搬送波) Sense(感知) Multiple(多重) Access / Collision(衝突) Detection(検出)
- 日本語 : 搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式
- イーサネット*2 で使用されている
- 手順
- Carrier Sence : 通信している端末がないことを確認する
- Multiple Access : 通信している端末がいない場合 : 自分の通信を開始する
- Collision Detection : 複数の通信が同時に行われた場合は衝突を検出し、送信を中止してランダム時間待ってから再び送信をする。
イーサネットで使用されるメディアアクセス制御方式であるCSMA/CDに関する記述として,適切なものはどれか。
ア. それぞれのステーションがキャリア検知を行うとともに,送信データの衝突が起きた場合は再送する。
平成29年春期問31 CSMA/CDに関する記述|応用情報技術者試験.com
LANの制御方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア. CSMA/CD方式では,単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと,衝突の頻度が増すので,スループットはある値をピークとして,その後下がる。
情報セキュリティスペシャリスト平成25年秋期 午前Ⅱ 問17
無線LANでは、衝突を回避するCSMA/CAを使っています。
- 正式 : Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance(回避)
- 日本語 : 搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式
- 手順
- Carrier Sence : 通信している端末がないことを確認する
- Multiple Access : 通信している端末がいない場合 : 自分の通信を開始する
- Collision Avoidance : 通信している端末がいた場合 : 他のホストの送信終了を検知してから自分が送信を開始する前にランダムな長さの待ち時間をとる(通信終了と同時に送信すると衝突する可能性が高いから)
無線通信では、衝突検出がとても難しいので衝突を回避できるようにするCSMA/CAを使います。
無線LANの隠れ端末問題の説明として,適切なものはどれか。
イ. 端末がアクセスポイントとは通信できるが,他の端末のキャリアを検出できない状況にあり,送信フレームが衝突を起こしやすくなる問題
情報処理安全確保支援士平成31年春期 午前Ⅱ 問18