ネットワークの未来を切り開くSDNとNFV
- 前回の勉強内容
- 勉強のきっかけになった問題
- SDNは、ネットワーク構成をソフトウェアで管理する技術です。
- OpenFlowは、「経路制御の機能」と「データ転送の機能」を分離する技術です。
- NFVは、ネットワーク機器を仮想化してソフトウェアにしちゃう技術です。
- 次回の勉強内容
前回の勉強内容
勉強のきっかけになった問題
ETSI(欧州電気通信標準化機構)が提唱するNFV(Network Functions Virtualisation)に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ONF(Open Networking Foundation)が提唱するSDN(Software-Defined Networking)を用いて,仮想化を実現する。
- OpenFlowコントローラやOpenFlowスイッチなどのOpenFlowプロトコルの専用機器だけを使ってネットワークを構築する。
- ルータ,ファイアウォールなどのネットワーク機能を,汎用サーバを使った仮想マシン上のソフトウェアで実現する。 << 正解
- ロードバランサ,スイッチ,ルータなどの専用機器を使って,VLAN,VPNなどの仮想ネットワークを実現する。
出典 : 令和3年 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問18
SDNは、ネットワーク構成をソフトウェアで管理する技術です。
ネットワーク(network)の構築や設定をソフトウェア(sftware)で定義(defined)して管理・制御しちゃおうという考え方や技術のことで、英語では「Software Defined Network」、略して「SDN」です。
なんでそんなもんが現れたのか?
近年、サーバもストレージもクラウドで便利に構築できる時代です。
なのにネットワークだけ、物理的なルーターやらスイッチやら通信回線を管理したり設定したりと大変なので、ネットワークもソフトウェアで便利に仮想化しちゃおう!というわけなのです。
ネットワークを構築する機器をソフトウェアで制御して、構成変更したい時もソフトウェアでちゃちゃっとできるようにしようというわけです。
OpenFlowは、「経路制御の機能」と「データ転送の機能」を分離する技術です。
OpenFlowは、「経路制御の機能」と「データ転送の機能」を分離しておいて、ソフトウェアで一括して「経路制御」しちゃう技術です。
SDNを実現した技術の1つです。
OpenFlowを使ったSDN(Software-Defined Networking)の説明として,適切なものはどれか。
- 単一の物理サーバ内の仮想サーバ同士が,外部のネットワーク機器を経由せずに,物理サーバ内部のソフトウェアで実現された仮想スイッチを経由して,通信する方式
- データを転送するネットワーク機器とは分離したソフトウェアによって,ネットワーク機器を集中的に制御,管理するアーキテクチャ << 正解
- プロトコルの文法を形式言語を使って厳密に定義する,ISOで標準化された通信プロトコルの規格
- ルータやスイッチの機器内部で動作するソフトウェアを,オープンソースソフトウェア(OSS)で実現する方式
出典 : 平成29年 春期 応用情報技術者試験 午前問34
「経路制御の機能」はControl Panel、「データ転送の機能」はData Panelというものがやっています。
これまでのネットワーク機器は、Control PanelとData Panelが同居していました。
そして、更新があるたびに各機器を1つ1つ設定していました。
OpenFlowでは、Control PanelとData Panelを分割して、更新するときはControl Panelの部分から指示を出してData Panelを管理します。
Control Panelを入れているのがOpenFlowコントローラで「経路制御の機能」の部分を担当します。
Data Panelを入れているのがOpenFlowスイッチで「データ転送の機能」の部分を担当します。スイッチは物理的なネットワーク機器になります。
ONFは、OpenFlowを標準化して広げようと頑張る団体です。
OpenFlowは、マーティン・カサドさんが作り出しました。
マーティン・カサドさんのOpenFlowのコンセプトに「いいね!」を感じたMicrosoftやGoogle、Facebookなどの企業や組織が集まって「OpenFlowを良くして広げていこう」とういう団体を作りました。
それが、Open Networking Foundation、略して「ONF」です。
特定ベンダーに管理されずにみんなで改善して広めていこう!ということで「オープン」を大切にしているそうです。
ONF(Open Networking Foundation)が標準化を進めているOpenFlowプロトコルを用いたSDN(Software-Defined Networking)の説明として,適切なものはどれか。
- 管理ステーションから定期的にネットワーク機器のMIB(Management Information Base)情報を取得して,稼働監視や性能管理を行うためのネットワーク管理手法
- データ転送機能をもつネットワーク機器同士が経路情報を交換して,ネットワーク全体のデータ転送経路を決定する方式
- ネットワーク制御機能とデータ転送機能を実装したソフトウェアを,仮想環境で利用するための技術
- ネットワーク制御機能とデータ転送機能を論理的に分離し,コントローラと呼ばれるソフトウェアで,データ転送機能をもつネットワーク機器の集中制御を可能とするアーキテクチャ << 正解
出典 : 平成29年 秋期 応用情報技術者試験 午前問35
コントローラがフローテーブルをスイッチへ送って経路を制御します。
OpenFlowを使ったSDN(Software-Defined Networking)の説明として,適切なものはどれか。
- RFIDを用いるIoT(Internet of Things)技術の一つであり,物流ネットワークを最適化するためのソフトウェアアーキテクチャ
- 音楽や動画,オンラインゲームなどの様々なソフトウェアコンテンツをインターネット経由で効率的に配信するために開発された,ネットワーク上のサーバの最適配置手法
- データ転送と経路制御の機能を論理的に分離し,データ転送に特化したネットワーク機器とソフトウェアによる経路制御の組合せで実現するネットワーク技術 << 正解
- データフロー図やアクティビティ図などを活用して,業務プロセスの問題点を発見し改善を行うための,業務分析と可視化ソフトウェアの技術
出典 : 平成29年 春期 基本情報技術者試験 午前問35
OpenFlowのコントローラなので、英語で「OpenFlow Controller」、略して「OFC」です。
このコントローラが、データの転送や宛先書換えなどの振舞いを決めたフローテーブルを作って、ONSへ送ります。
OpenFlowのスイッチは、もらったフローテーブルに基づいてデータの転送や破棄、宛先の書き換えなどを実施します。
NFVは、ネットワーク機器を仮想化してソフトウェアにしちゃう技術です。
ネットワーク機器(netowork)の機能(functuion)を汎用サーバ上で仮想化(virtualization)してソフトウェアっぽくすることで、英語では「Network Functions Virtualization」、略して「NFV」です。
ルータとかスイッチとかを仮想マシンみたいにしちゃうんです。
NFVは、SDNとは違う技術です。
SDNは、ネットワーク機器の構成や接続を仮想化する技術です。
NFVは、ネットワーク機器自体を仮想化する技術です。
似ているけど、違うんです。
ETSI(欧州電気通信標準化機構)によって提案されたNFV(Network Functions Virtualisation)に関する記述として,適切なものはどれか。
- インターネット上で地理情報システムと拡張現実の技術を利用することによって,現実空間と仮想空間をスムーズに融合させた様々なサービスを提供する。
- 仮想化技術を利用し,ネットワーク機能を汎用サーバ上にソフトウェアとして実現したコンポーネントを用いることによって,柔軟なネットワーク基盤を構築する。<< 正解
- 様々な入力情報に対する処理結果をニューラルネットワークに学習させることによって,画像認識や音声認識,自然言語処理などの問題に対する解を見いだす。
- プレースとトランジションと呼ばれる2種類のノードをもつ有向グラフであり,システムの並列性や競合性の分析などに利用される。
出典 : 平成30年 春期 応用情報技術者試験 午前問32