PPPにもいろいろある

前回の勉強内容

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勉強のきっかけになった問題

シリアル回線で使用するものと同じデータリンクのコネクション確立やデータ転送を、LAN上で実現するプロトコルはどれか。

  1. MPLS
  2. PPP
  3. PPPoE << 正解
  4. PPTP

出典 : 平成31年 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前Ⅱ 問19

シリアル通信は、1本の線で順番にデータを送信します。

1本の線で1ビットずつ順番(serial)にデータを送受信する転送していく通信(communication)のことで、英語で「serial communication」、日本語で「直列伝送」ともいいます。

通信 方式 いいこと
シリアル通信 1つの線で順番に転送 送受信タイミングの同期が不要
パラレル通信 複数の線で一気に転送 通信速度が速い

コンピュータ本体に外部記憶装置を繋いで通信する方式である「ATA」をシリアル通信にした仕様は「シリアルATA」といいます。

シリアルATAの説明として,適切なものはどれか。

  1. PCと周辺機器とを結ぶシリアルインタフェースであり,キーボード,マウス,スピーカ,プリンタ,CD-RWドライブなど多岐に渡る周辺装置を接続する。
  2. PCと周辺機器とを結ぶシリアルインタフェースであり,磁気ディスク装置,DVDドライブなどの高速な周辺装置を接続する。 <<正解
  3. PCと周辺機器とを結ぶシリアルインタフェースであり,ルータ又はモデムを接続する。
  4. PCとディジタルAV機器とを結ぶシリアルインタフェースであり,セットトップボックス,DVDプレーヤなどを接続する。

出典 : 平成21年 秋期 ネットワークスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問22

データリンク層は、通信回線の部分で接続された機器間のデータ転送をします。

OSI参照モデルでは、ネットワーク層物理層の間にある層です。
「データのの変換や調整・優先制御などを行うネットワーク層」と「物理的な通信機器である物理層」との間を取り持って、通信相手の識別やコリジョン検知・回避、フレームの分割や組み立てなどを担当します。

複数のLANを接続するために用いる装置で,OSI基本参照モデルデータリンク層プロトコル情報に基づいてデータを中継する装置はどれか。

  1. ゲートウェイ >> トランスポート層からアプリケーション層までのプロトコル変換を行います。
  2. ブリッジ << 正解
  3. リピータ >> 物理層で流れてきた信号をもう一方のケーブルに送り出します。
  4. ルータ >> ネットワーク層でネットワーク同士を接続します。

出典 : 平成28年 春期 基本情報技術者試験 午前問32

LANは、決まった範囲で接続できるネットワークのことです。

決まった範囲(local area)で接続できるネットワーク(network)のことで、英語で「Local Area Network」、略して「LAN」、「らん」って読みます。

Ethrnetは、有線LANの規格です。

ケーブルを機器に挿してLAN接続するのが有線LANです。
文字通り線(ケーブル)の有るLANです。
この有線LANを使うときの「物理層」と「データリンク層」の仕様を決めている規格がEthrnetです。
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LANを繋げておっきなネットワークにしたのがWANです。

LANの間を埋めて繋げておっきくした(wide area)ネットワーク(network)が、英語で「Wide Area Network」、略して「WAN」、「わん」って読みます。
WANのサービスには、アナログ専用線やデジタル専用線ISDN、広域イーサネット、IP-VPNなどがあります。

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小田原城にあるきんじろうカフェでひと休み

MPLSは、パケットに宛先情報のラベルをくっつけてデータ転送する技術です。

特定のネットワーク内でラベルと呼ばれる短い符号をパケットなどに付与することで高速に転送処理を行う技術です。

ルータでは、普通IPヘッダを見て宛先を判断します。
MPLSを使った場合は、パケットにくっつけたラベルを見て宛先を判断します。

https://www.infraexpert.com/studygif/mpls2.gif
MPLS - MPLSの概要

MPLSを使うにはラベル(label)交換(switching)に対応したルータ(router)、英語では「Label Switching Router」、略して「LSR」を使う必要があります。
なぜならば、LSRは専用のプロトコル(LDP : Label Distribution Protocl)でラベル情報を付加したり、参照したりしてくれるからです。

ネットワーク層で働くルータによってラベルがくっつくのならば、MPLSもネットワーク層の技術にも思えるのですが、OSI参照モデルの層にきっちりハマるものでもなくネットワーク層データリンク層あたりの技術のようです。

MPLSがレイヤ2とレイヤ3のどちらなのかについては、多少不明瞭な部分もあるが、MPLSは7階層のOSI参照モデルにぴったり収まるものではなく、時にはレイヤ2.5と分類されることもある。
MPLSが生きながらえる理由(上) - MPLSが生きながらえる理由:Computerworld

PPPは、WAN回線やISDN接続でよく使うシリアル通信用のデータリンク層プロトコルです。

2点間で仮想の経路を確立してデータを送受信できるようにするデータリンク層プロトコルです。
点(point)から点(point)へ(to)データを送受信するプロトコル(protocol)、英語では「Point to Point Protocol」、略して「PPP」です
PPPには、ユーザ認証機能やエラー処理を行う機能があります。
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PPPoEは、有線LANの規格であるEthernet上でPPPをできるようにしたプロトコルです。

イーサネット(ethrnet)上(over)で使えるPPP、英語では「PPP over Ethernet」、略して「PPPoE」です。
PPPのやり方の1つなので、PPPと同じデータリンク層プロトコルです。
そしてEthernet上で使えるのでLANで使えることになります。

PPTPは、データをカプセル化してPPPを使います。

GREというプロトコルでパケットをカプセル化してPPPでデータを送受信します。
PPPのやり方の1つなので、PPPと同じデータリンク層プロトコルです。

インターネット上に専用線を構築するVPNであるインターネットVPNで使われます。
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まとめ

階層 階層名 役割 機器 プロトコル
第7層 アプリケーション層 アプリケーションごと固有の規定 ゲートウェイ
第6層 プレゼンテーション層 文字コードなどデータの表現形式の変換 ゲートウェイ
第5層 セッション層 通信プログラム間の通信の確立から終了までの管理 ゲートウェイ TLS
第4層 トランポート層 ノード間のデータ転送の管理 ゲートウェイ TCP / UDP
第3層 ネットワーク層 ネットワーク機器間のアドレスや経路の管理 ルータ / L3スイッチ IP / DHCP / RIP
第2層 データリンク層 直接接続された機器間データフレームの識別や転送 ブリッジ / L2スイッチ MAC / PPP / PPPoP / PPTP
第1層 物理層 ビット列の電気信号への変換 リピータ / ハブ

参考 : OSI参照モデルとTCP/IPについて - けんのへや

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まるます家北赤羽店で贅沢なお昼ご飯

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