前回の勉強内容
勉強のきっかけになった問題
データアクセス方式の一つであるオブジェクトストレージに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ストレージにファイルシステムを構成し、ファイル単位でデータにアクセスする。
- ストレージの論理ボリュームを決まったサイズに分割し、その単位でデータにアクセスする。
- データとメタデータをセットに保存し、階層構造にすることによってデータにアクセする。
- (正解)データとメタデータをセットに保存し、固有の識別子でデータにアクセスする。
出典 : 応用情報技術者試験 令和6年秋期 午前 問13

オブジェクトストレージは、階層構造になっていません。
オブジェクトストレージでは、データをオブジェクト単位で保存・管理します。
そして、「データ本体 + メタデータ + ユニークなID(識別子)」をセットで管理し、ユニークなID(識別子)でデータにアクセスします。
フォルダもありません。
ファイルストレージにのようにフォルダの中にファイルが入っているのはありません。
全てのデータがフラットにオブジェクトとして管理されています。
AmazonS3はオブジェクトストレージです。
S3の画面では、ファイルストレージのようにフォルダがあって中にファイルが入っているように見えますが、
識別子が「Development/Projects.xls」みたいになって「/」で区切っているのでDevelopmentフォルダのように見えるだけです。
「Development/Projects.xls」も「Finance/statement1.pdf」もフォルダなどはなくてフラットにオブジェクトとして管理されています。

「大量のデータ」「あんまり更新しないデータ」に向いています。
最初は小さいサイズでオブジェクトストレージを作成しても、階層構造を持たずにフラットに管理されているので、データが大きくなっても容易にスケールアップできます。
また、場所や情報などをメタデータとして持つことができるので、メタデータを活用してたくさんのオブジェクトから目的のオブジェクトを探しやすくなっています。
オブジェクトストレージの記述として、最も適切なものはどれか。
- (正解)更新頻度の少ない非構造型データの格納に適しており、大容量で拡張性のあるストレージ空間を仮想的に実現することができる。
- 高速のストレージ専用ネットワークを介して、複数のサーバからストレージを共有することによって、高速にデータを格納することができる。
- サーバごとに割り当てられた専用ストレージであり、容量が不足したときにはストレージを追加することができる。
- 複数のストレージを組み合わせることによって、仮想的な1台のストレージとして運用することができる。
出典 : 応用情報技術者試験 令和6年春期 午前 問13
オブジェクトストレージには「一度保存したオブジェクトを変更しない(不変性)」という考え方があるそうです。
そのため、更新する場合は「ファイルの一部を更新する」のではなく「一部を更新したオブジェクトに置き換える」的な感じになります。
また、「Write Once Read Many」=「略してWORM」=「1度書き込んだら、あとは読み出しが中心」という考え方もあって、そういう使い方を想定しています。
その分、「バックアップ」「動画など変更しない配布するだけのデータ」などを低コストで管理するのに適しています。