経験を活かしてヒューリスティック評価

前回の勉強内容

ponsuke-tarou.hatenablog.com

勉強のきっかけになった問題

ヤコブ・ニールセンのユーザインタフェースに関する10か条のヒューリスティックスの一つである "システム状態の視認性" に該当するものはどれか。

  1. 異なる画面間でも,操作は類似の手順で実行できる。
  2. (正解)実行中に処理の進捗度を表示する。
  3. 入力フォームの必須項目に印を付けて目立たせる。
  4. 表示する文字の大きさや色が適切で、効果的に画像も使用する。

出典 : 応用情報技術者試験 平成22年秋期 午前 問26

2024-09-14訪問 港3 麻布黒美水温泉竹の湯

使いやすいって?

ユーザインタフェースは、「使う人」+「接合部分」なので、人が触ったり操作したりするところのことです。
システムとかソフトウェアだと「画面」が代表的です。

「情報にアクセスしやすいレイアウト」「次の操作がわかりやすい動きの画面」「目の不自由な人が操作しやすい」とかいろいろあります。

ユーザビリティは、「やりたいこと」を「やりやすいか」が大事

ユーザビリティの説明として,最も適切なものはどれか。

  1. 障害,年齢,性別,国籍などにかかわらず,誰もが使える設計をいう。
  2. 障害者や高齢者がサービスを支障なく操作又は利用できる機能をいう。
  3. 障害者や高齢者に負担を与えない設計をいう。
  4. (正解)どれだけ利用者がストレスを感じずに,目標とする要求が達成できるかをいう。

出典 : 応用情報技術者試験 平成22年秋期 午前 問26

ユーザビリティ(usability)」は日本語で「使用性」で、「やりたいことをやりやすいか」という感じのようです。

参照元 書いてある内容
JIS Z8521
人間工学-人とシステムとのインタラクション-ユーザビリティの定義及び概念
特定のユーザーが、特定の利用状況において、システム、製品、またはサービスを利用する際に、効果、効率、および満足を伴って特定の目標を達成する度合い
JIS X25010
システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル
指定された利用状況において、利用者が有効さ、効率、満足度をもって特定の目標を達成できる度合い

「やりやすいか」は聞かねばわからない

使った人が「満足したか」どうかは聞かなきゃわかんないってことですね。

使用性(ユーザビリティ)の規格(JIS Z 8521:1999)では,使用性を“ある製品が,指定された利用者によって,指定された利用の状況下で,指定された目的を達成するために用いられる際の,有効さ,効率及び利用者の満足度の度合い”と定義している。この定義中の“利用者の満足度”を評価するときに用いる方法はどれか。

  1. (正解)インタビュー法
  2. ヒューリスティック評価
  3. ユーザビリティテスト
  4. ログデータ分析法

出典 : 応用情報技術者試験 平成28年春期 午前 問25

SWEBOKにある「User Observation Heuristics」にも
ユーザビリティヒューリスティックスには、認知的ウォークスルー、クレーム分析、フィールド調査(現場観察)、思考発話法(シンクアラウド)、さらにはユーザーアンケートやインタビューのような間接的なアプローチも含まれます。」
的なことが英語で書いてあります。

ここで問題にあった「ヒューリスティックス」なる言葉に出会います。

ヒューリスティックは、経験から得られる解決方法を見つけることです。

英語で書くと「heuristic」で日本語にすると「発見を促すような」「試行錯誤的な」という意味でした。
ヒューリスティックは、経験からの解決方法なので、必ず正解なわけではないです。でも、これまでの情報に基づくので結構いい感じの解決方法になります。

ヒューリスティック評価」は、ユーザーインターフェースについて「やりやすいか」をこれまでの情報や知識から評価することです。
評価する人はズブの素人ではなく、UI/UXに精通した人でないとイマイチな結果になるのが欠点です。

一般に専門家が,様々なユーザインタフェース設計によく当てはまる経験則を基にして,インタフェースを評価する方法はどれか。

  1. 回顧法
  2. 思考発話法
  3. 認知的ウォークスルー法
  4. (正解)ヒューリスティック評価法

出典 : 応用情報技術者試験 平成28年春期 午前 問25

10か条のヒューリスティック

ユーザビリティ研究者のニールセンさんが「経験則」を10個集めて作ったのが「10か条のヒューリスティックス(英語:10 Usability Heuristics for User Interface Design)」

日本語 英語 意味 過去問にあった該当する選択肢
状態の可視化 Visibility of system status システムがどんな状況かがユーザーにわかるようにする 実行中に処理の進捗度を表示する。
現実との一致 Match between system and the real world ユーザーに理解しやすい言葉やアイコンなどを使うようにする
ユーザーでの制御と自由 User control and freedom ユーザーが間違えた時に「戻る」「キャンセル」などが行いやすくなっている
一貫性と標準性 Consistency and standards ユーザーが直感的に操作できるように、アイコンや文言・デザインに一貫性があること 異なる画面間でも,操作は類似の手順で実行できる。
エラー防止 Error prevention ユーザーが間違えにくいように設計して、重要操作時には確認メッセージを表示する 入力フォームの必須項目に印を付けて目立たせる。
記憶に頼らない Recognition rather than recall ユーザーが思い出さなくてもいいように、アイコンのラベルやツールチップを設定して情報を画面上に表示すること
操作の柔軟性と効率性 Flexibility and efficiency of use ユーザーの経験に関わらず、効率的に操作できるようにショートカット機能やカスタマイズ機能があること
美的で最小限のデザイン Aesthetic and minimalist design 無関係・めったに見ない情報を排除して、シンプルかつ機能的なデザインにする 表示する文字の大きさや色が適切で、効果的に画像も使用する。
エラーの認識・診断・回復 Help users recognise, diagnose, and recover from errors ユーザーが問題を理解・解決できるようにエラーメッセージはわかりやすい表示・言葉にすること
ヘルプとマニュアル Help and documentation ユーザーが参考にできるヘルプ情報・マニュアルなどのサポートが用意されていること

2024-11-04訪問 府中市7 府中湯楽館桜湯

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