前回の勉強内容
勉強のきっかけになった問題
ヤコブ・ニールセンのユーザインタフェースに関する10か条のヒューリスティックスの一つである "システム状態の視認性" に該当するものはどれか。
- 異なる画面間でも,操作は類似の手順で実行できる。
- (正解)実行中に処理の進捗度を表示する。
- 入力フォームの必須項目に印を付けて目立たせる。
- 表示する文字の大きさや色が適切で、効果的に画像も使用する。
出典 : 応用情報技術者試験 平成22年秋期 午前 問26

使いやすいって?
ユーザインタフェースは、「使う人」+「接合部分」なので、人が触ったり操作したりするところのことです。
システムとかソフトウェアだと「画面」が代表的です。
「情報にアクセスしやすいレイアウト」「次の操作がわかりやすい動きの画面」「目の不自由な人が操作しやすい」とかいろいろあります。
ユーザビリティは、「やりたいこと」を「やりやすいか」が大事
ユーザビリティの説明として,最も適切なものはどれか。
- 障害,年齢,性別,国籍などにかかわらず,誰もが使える設計をいう。
- 障害者や高齢者がサービスを支障なく操作又は利用できる機能をいう。
- 障害者や高齢者に負担を与えない設計をいう。
- (正解)どれだけ利用者がストレスを感じずに,目標とする要求が達成できるかをいう。
出典 : 応用情報技術者試験 平成22年秋期 午前 問26
「ユーザビリティ(usability)」は日本語で「使用性」で、「やりたいことをやりやすいか」という感じのようです。
| 参照元 | 書いてある内容 |
|---|---|
| JIS Z8521 人間工学-人とシステムとのインタラクション-ユーザビリティの定義及び概念 |
特定のユーザーが、特定の利用状況において、システム、製品、またはサービスを利用する際に、効果、効率、および満足を伴って特定の目標を達成する度合い |
| JIS X25010 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル |
指定された利用状況において、利用者が有効さ、効率、満足度をもって特定の目標を達成できる度合い |
「やりやすいか」は聞かねばわからない
使った人が「満足したか」どうかは聞かなきゃわかんないってことですね。
使用性(ユーザビリティ)の規格(JIS Z 8521:1999)では,使用性を“ある製品が,指定された利用者によって,指定された利用の状況下で,指定された目的を達成するために用いられる際の,有効さ,効率及び利用者の満足度の度合い”と定義している。この定義中の“利用者の満足度”を評価するときに用いる方法はどれか。
SWEBOKにある「User Observation Heuristics」にも
「ユーザビリティヒューリスティックスには、認知的ウォークスルー、クレーム分析、フィールド調査(現場観察)、思考発話法(シンクアラウド)、さらにはユーザーアンケートやインタビューのような間接的なアプローチも含まれます。」
的なことが英語で書いてあります。
ここで問題にあった「ヒューリスティックス」なる言葉に出会います。
ヒューリスティックは、経験から得られる解決方法を見つけることです。
英語で書くと「heuristic」で日本語にすると「発見を促すような」「試行錯誤的な」という意味でした。
ヒューリスティックは、経験からの解決方法なので、必ず正解なわけではないです。でも、これまでの情報に基づくので結構いい感じの解決方法になります。
「ヒューリスティック評価」は、ユーザーインターフェースについて「やりやすいか」をこれまでの情報や知識から評価することです。
評価する人はズブの素人ではなく、UI/UXに精通した人でないとイマイチな結果になるのが欠点です。
一般に専門家が,様々なユーザインタフェース設計によく当てはまる経験則を基にして,インタフェースを評価する方法はどれか。
- 回顧法
- 思考発話法
- 認知的ウォークスルー法
- (正解)ヒューリスティック評価法
10か条のヒューリスティックス
ユーザビリティ研究者のニールセンさんが「経験則」を10個集めて作ったのが「10か条のヒューリスティックス(英語:10 Usability Heuristics for User Interface Design)」
| 日本語 | 英語 | 意味 | 過去問にあった該当する選択肢 |
|---|---|---|---|
| 状態の可視化 | Visibility of system status | システムがどんな状況かがユーザーにわかるようにする | 実行中に処理の進捗度を表示する。 |
| 現実との一致 | Match between system and the real world | ユーザーに理解しやすい言葉やアイコンなどを使うようにする | |
| ユーザーでの制御と自由 | User control and freedom | ユーザーが間違えた時に「戻る」「キャンセル」などが行いやすくなっている | |
| 一貫性と標準性 | Consistency and standards | ユーザーが直感的に操作できるように、アイコンや文言・デザインに一貫性があること | 異なる画面間でも,操作は類似の手順で実行できる。 |
| エラー防止 | Error prevention | ユーザーが間違えにくいように設計して、重要操作時には確認メッセージを表示する | 入力フォームの必須項目に印を付けて目立たせる。 |
| 記憶に頼らない | Recognition rather than recall | ユーザーが思い出さなくてもいいように、アイコンのラベルやツールチップを設定して情報を画面上に表示すること | |
| 操作の柔軟性と効率性 | Flexibility and efficiency of use | ユーザーの経験に関わらず、効率的に操作できるようにショートカット機能やカスタマイズ機能があること | |
| 美的で最小限のデザイン | Aesthetic and minimalist design | 無関係・めったに見ない情報を排除して、シンプルかつ機能的なデザインにする | 表示する文字の大きさや色が適切で、効果的に画像も使用する。 |
| エラーの認識・診断・回復 | Help users recognise, diagnose, and recover from errors | ユーザーが問題を理解・解決できるようにエラーメッセージはわかりやすい表示・言葉にすること | |
| ヘルプとマニュアル | Help and documentation | ユーザーが参考にできるヘルプ情報・マニュアルなどのサポートが用意されていること |

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