クラスタリング方式によるシステムの構成

勉強のきっかけになった過去問

仮想サーバの冗長化設計における可用性評価に関する記述のうち,クラスタソフトウェアを用いた評価として,適切なものはどれか。

  1. OS,アプリケーション及びハードウェアの障害に対応し,障害時に障害が発生していないサーバに自動的に処理を引き継ぐので,切替え時間の短い安定した運用が求められる場合に有効である。
  2. 仮想サーバを停止させずに物理サーバ間で仮想サーバを移動することが可能となるので,メンテナンスなど業務移行の際も含めて業務の停止が全く許容できない場合に有効である。
  3. 物理サーバに備わっている機能を利用するので,ハードウェアの障害にだけ対応し,障害時に業務停止が許容される場合に有効である。
  4. 物理サーバのリソース(CPU,メモリなど)をブロック単位に物理的に分割し,あるブロックの障害が他のブロックに影響しないようにするので,障害時に業務の停止が許容できない場合に有効である。

分野別過去問題テクノロジ系 システムの構成 No.2

クラスタリング方式の概要

複数のサーバでサービスを稼働させます。利用者にはあたかも1つサーバを利用しているかのごとく。
この方式では更に2種類の方式があります。

アクティブ・スタンバイクラスタ

スポーツの大会で選手と補欠がいて、選手が怪我しても補欠がいるからなんとかなるイメージです。

稼働(アクティブ)しているサーバと停止(スタンバイ)しているサーバを使います。

停止しているサーバはサボっているのではなく稼働しているサーバを監視しています。
稼働しているサーバで故障などので停止したら、停止しているサーバが稼働してサービスを引継ぎます。

稼働するサーバを切り替えることをフェールオーバーといいます。

故障は直してまた使えるようにします。
使えるようになったらまた稼働して、稼働していたサーバがまた停止します。
これで、故障前の状態に戻ります。

停止したサーバがまた稼働して元の状態に戻ることをフェールバックといいます。

注意ポイント : サーバを切換える時に蓄積データを移行する方法が必要であること。

データを蓄積しているメールサーバやファイルサーバ、データベースサーバでこの方式を使う時は注意する必要があります。

負荷分散クラスタ

会社で1つの作業を複数人で作業して、1人だけ残業し内容にしたり誰かがインフルエンザで休んでも作業が止まらないようにするイメージです。

複数のサーバを一緒に稼働させて処理を分散させます。

ロードバランサなどで処理を振分けていきます。

問題が発生したサーバには処理を振分けないようにします。

停止したサーバに処理を振分けてもできないものはできません。
特定のサーバのスペックが残念な場合は、処理が滞らないようにそのサーバに振分ける処理を少なくしたりもします。

注意ポイント : データをサーバ間で共有する方法が必要であること。

使っているサーバみんなで違うデータを見ていたら悲しい状態になります。

注意ポイント : 処理を振り分ける装置にはサーバを監視する機能も必要であること。

どのサーバは問題なくて、どのサーバには問題が発生しているかを監視して振分けを決められないといけません。

クラスタリング方式は、停止時間を最小限にしたいサービスに向いています。